デジタル化社会となって久しい日本では、今まで人の力で作動・確認をしていた設備保全に至ってもデジタル化へとシフトチェンジをするようになりました。その中には温度管理というものも含まれており、計測器をインターネット回線に接続して遠隔地からでも逐一確認することが可能です。計測器などをインターネットに接続する技術のことをIoTと呼んでおり、一般的には「モノのインターネット」と表記をします。ここではそのうちの温度管理システムの仕組みと、活用されている現場について解説をしていきましょう。
温度管理の場合、温度計と湿度計の2つを使用することになります。一昔前であれば水銀の体積の変化で温度を計測していましたが、現在は赤外線を照射して空気中の水蒸気量から割り出すものとなります。IoT技術を駆使した温度管理システムが活躍する場所は、畜産・農業といった生産現場です。鹿児島県薩摩地方にある畜産牧場で2011年、農林水産省の主導によるIoTシステムのテスト導入を実施しました。
牛舎に計25台の温度計を取り付け、さらにすべての機器をネット回線と接続をしました。計30の牛舎すべてに取り付けてテストを開始し、温度・湿度管理を離れた事業所から確認することができたわけです。単に現時点の室温のチェックだけでなく、必要であれば空調機の運転指示もだすことができるのがポイントでです。スタッフが現地まで赴く必要がなく、昨今の酪農業で問題となっている人材不足を打開するのに活用できるシステムになりました。