食中毒の原因となるのは主に細菌とウイルスであり、前者は温度や湿度などの条件が揃うと食品中で増殖します。後者は食品中では増殖しませんが、調理者が触れた食品が原因で感染すると腸管内で増えます。ウイルスは低温や乾燥した環境でも長く生存できるので注意しなければなりません。細菌を原因とする食中毒の多くは気温や湿度が高くなる6月から8月にかけて多く発生しています。
主な細菌にはサルモネラ菌やカンピロバクター、腸管出血性大腸菌などが存在します。特に腸管出血性大腸菌に感染すると、激しい腹痛や血の混ざった下痢などの症状が現れ重い命に関わることもあります。ウイルスは低温や乾燥した環境でも長く生存できるため、気温が低下して乾燥する11月から3月にかけて多くの食中毒が発生しています。ノロウイルスは調理者から食品を介して感染することが多く、酷い下痢や腹痛などの症状を引き起こします。
食品の安全を守るためには湿度計や温度計などのセンサーを全ての工程に設置する必要があります。湿度計などのセンサーを使い、原材料の仕入れから出荷に至るまで全ての製品を監視することが大切です。以前の食品業界では、出荷前に一部の製品に対する抜き打ち検査を行うのが一般的でした。抜き打ち検査は効率性が優れているものの、不良品を見逃す可能性があります。
湿度計センサーなどを使って全ての工程と製品を監視し良好な環境を維持すれば、食品の安全を効果的に守り食中毒を防ぐことができます。