厚生労働省や各自治体の保健所のホームページなどを見ると、日本ではいまだに多くの食品事故が発生しています。その中でも異物混入や食中毒が多く発生しています。なぜ食中毒が発生するのかメカニズムをいうと、食中毒を引き起こす細菌が食品中で増殖し、それを食した人間の体内に入り体内で直接健康被害を与えたり、毒素を産生することで健康被害を引き起こしたりします。その中でも、例えば腸管出血性大腸菌O157などは、尿血症や激しい下痢・腹痛・脱水症などを引き起こし、最悪のケースとして人を死に至らしめる恐ろしい細菌なのです。

そのため、ご家庭で料理をしたり食品工場が食品を製造するときは、食中毒をおこさないように細心の注意を払って料理・製造を行う必要があるのです。さて、では食中毒を起こさないために具体的にはどのようなことを行えばいいのでしょうか。一番効果的なのはずばり温度管理です。例えば、多くの食中毒を引き起こす細菌は、食品の中心温度が75℃で1分以上の加熱を行えば死滅します。

そのため、加熱工程がある調理では、加熱後に温度計で温度を測定し細菌を死滅させるだけの温度に達しているか確認することで、温度管理を行えるのです。また、細菌は室温が40℃前後で最も増殖しやすくなります。そのため、室内に温度計を設置し、室温をコントロールすることで食中毒リスクをかなり低減させることができます。このように、温度管理は非常に重要なのです。